立つⅠ
ある日娘が帰宅するや否や、顔をくしゃくしゃにして泣きだした。
昨日もそうだった。
今日もその話を聞いていた母として辛かった・・。
楽器に打ち込める事にだけ幸せを感じていた。
そんな娘が今日、「部活をやめたい・・」と弱音を吐いた。
クラスでも、部活でも、楽器以外に逃げ道がないのは知っていた。
母としてできること、それは寄り添う事。
そして時に娘の目標を一緒に確認し合うことだった。
でも、今日の娘にはその炎も消えかかっていた。
楽器を買うために、好きなものを我慢してコツコツとお金をため、
その楽器をようやく買ってその目標があるから・・・と
娘は目標を失わなかった。今日までは。
でも今日の娘は違う。弱気だった。
いつもは寄り添ってうんうんと話を聞く私だが、
今日はそんな娘に私は怒鳴り付けた。
「あ~そうなんだ。そんな事で夢をあきらめちゃうだ!随分ちっぽけな夢だったんだね」と。
「ママにはわかるもんか!!」娘は涙でぐちゃぐちゃになった顔で睨みつけてそういった。
「あ~分かりたくもないね!!」私は更に言い返した。
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